うどの旬を堪能しよう

春の訪れを告げる山菜、それが「うど」です。自然の中で育つうどは、長さ50cm以上にもなることがあります。紫色の茎と大きな葉を持つその見た目はとても特徴的です。

栄養価も高く、食物繊維、ビタミンCが豊富なうどを取り入れた美味しい料理を作ってみませんか?今回はうどの基本情報や扱い方、選ぶポイント、おすすめのレシピについて解説します。

うどとはなにか?

まず、うどとは日本全国の山野に自生する野菜です。日本原産で、中国や朝鮮半島にも自然に生えています。流通するうどは、「うど」と「山うど」の2種類です。うどは地下で育て、根元は日光を当てず、白い茎が長く伸びます。一方、山うどは茎と葉に日光を当て、先端部分を緑色に育てます。

また、うどは収穫の時期により「春うど」と「寒うど」に分けられます。春うどはその名の通り春が旬で、寒うどは秋から冬にかけて収穫されます。市場に出回るうどは多くが春うどです。そのため、一般的なうどは張る宇度とされています。

うどの特長は、その香りと歯ざわりです。調理方法も多彩で、おひたしや煮物、焼き物、サラダに使われることが多いです。特にあえ物や吸い物にすると、うど独特の香りが引き立ちます。また、一部では、刺身のつまにも使われ、その独特な風味と食感が人気の秘密です。

  • うどの選び方

新鮮なうどを選ぶポイントは3つあります。まずひとつ目は長さです。30~40cm程度が適正とされています。あまりに長すぎるものは硬くなってしまうため、適度な長さを心がけましょう。

2つ目は太さと色合いです。うどは太く、白くつやがあるものが新鮮な証拠。色が黒ずんでいたり、赤い斑点が多かったりするものは鮮度が落ちていますので、避けたほうが無難でしょう。

3つ目は穂先の状態です。しっかりしてみずみずしいものが良質な証です。みずみずしさが感じられないもの、または穂先がしなったものは避けましょう。

  • うどの旬と出回り時期

うどは年間を通して出回る野菜で、1月から5月にかけて特に流通量が多くなります。この中でも3月から4月がうどの旬とされています。旬というのは、その食材が一番美味しくなる時期を指す言葉なので、この期間のうどを選ぶとより一層美味しく食べることができるでしょう

  • うどの栄養価

 うどは水分が約94%と高く、ボリューム感がありながらも低カロリーな野菜です。ビタミン類やミネラルは微量ですが、その中でもカリウムが多めに含まれています。カリウムは体内のナトリウム排出を助け、血圧上昇を抑える役割があるため、塩分が気になる方にもおすすめの成分です。

さらに、うどには、精神を安定させる効果を持つジテルベンや、老化防止やがん予防にかかわると言われるフラボノイドが含まれています。ジテルベンはストレスや不安を軽減する効果があり、フラボノイドは抗酸化作用があるとされています。

うどの扱い方

購入後の保存方法

うどに日光が直接当たらないよう、新聞紙などで包み保存すると鮮度を保ちやすいです。

調理する際の下処理

うどを使った料理を作る前に、まずは皮をむきましょう。うどを扱いやすい4~6cm長さに切り、切り口をじっくり見てください。筋目のすぐ内側を切るように、ぐるりと皮をむくのがポイントです。皮と筋は硬いので、少し厚めに皮をむくように心掛けてみてください。さらに、むいた皮は捨てずにとっておくと、後できんぴらなどの料理に使えます。

次に、うどはアクが強く、空気に触れるとすぐに酸化して褐色に変色してしまいます。変色を防ぎため、うどを切ったらすぐに酢少々を加えた水に入れ、10分ほどさらすのがおすすめです。

うどを使ったオススメのレシピ

うどを使ったオススメのレシピを紹介します。

【うどのきんぴら】

まず、うどを適当な長さに切り、皮をむきます。ここで皮をむいたうどは、食べやすい大きさに切ります。また、皮の部分も一緒に使えるのがこの料理の魅力です。皮の部分は、厚みを均一にするために、細かく切ると良いでしょう。

次に、フライパンに少量の油を熱し、うどを炒めます。皮と肉部分は別々に炒めても良いですし、一緒に炒めてもOKです。炒める際のポイントは、弱火でじっくりと炒めること。うどが焦げないように注意しつつ、うどに火を通すことで、その独特の香りを引き立てます。

炒め終わったら、砂糖と醤油を加えて味付けします。砂糖はうどのほろ苦さを中和し、醤油が全体を引き締めます。塩分は少なめにして、うど本来の風味を活かしましょう。

最後に、仕上げとしてゴマを振りかけます。ゴマは香ばしさをプラスし、きんぴらの食感にアクセントを加えます。焼きゴマを使うと、より香りが高まります。

「うどのきんぴら」は、おつまみやお弁当の一品としても最適です。うどのシャキッとした食感と、ゴマの香ばしさが絶妙にマッチした一品をぜひお試しください。

【うどのてんぷら】

「うどの天ぷら」は、うどの独特な風味とサクッとした食感を堪能できる、シンプルながら美味しい料理です。作り方も簡単で、初めて作る方でも安心して挑戦いただけます。

まず、うどの下処理を行います。食べやすい大きさに切り、皮をむきます。皮をむいた後は、酢水にさらし、うど独特のアクを抜きます。その後、水気をしっかりと拭き取り、天ぷらがサクッと仕上がるようにします。

次に、うどを天ぷら粉にくぐらせます。ここでのポイントは、うどにてんぷら粉を均一にまぶすことです。また、揚げる直前に粉をまぶせば、揚げたてのサクッとした食感が楽しめます。

そして、うどを揚げます。揚げる際のポイントは、油の温度を一定に保つこと。うどがきつね色になるまでじっくりと揚げ、火を通すことで、うどの旨味を最大限に引き出します。

揚げ終わったら、キッチンペーパーなどで油をしっかりと切り、余分な油を落とします。この「うどの天ぷら」は、そのままでも、塩や天つゆで味をつけても良いでしょう。

まとめ

ここまで、うどの基本的な情報から扱い方、美味しい選び方、そしておすすめレシピまで、幅広くご紹介してまいりました。うどの料理を上手にとりいれることで、みなさんの食事の時間が、ますます充実したものとなることを願っています。