いんげんは料理に幅広く使え、また栄養価も高いお野菜です。しかし、どういった栄養素が含まれているのか、どのように調理すれば最大限に栄養を活かせるのか、そんな基本的な情報が把握できていない方も多いのではないでしょうか。ここで、いんげんの栄養情報や旬の時期、おすすめの調理方法などを詳しく解説します。これを機に、日々の食事にいんげんをもっと活用してみませんか。
いんげんとは何か？
いんげんはマメ科の一年草で、そのさやと中の種子が食材として利用されます。
一年草とは、種が発芽してから花を咲かせ、新たな種をつけて一生を終えるまでのサイクルを1年以内で終える植物のことです。
いんげんの栽培は古代から行われてきました。
その形状や色は種類によりますが、一般的にはさやの長さは15cm程度で、細長い形状をしています。中には小さな種子が並んでいます。
日本でよく見かけるのは「いんげん豆」で、緑色のさやが特徴的です。生食はもちろん、煮物や炒め物、サラダなど多岐にわたる料理に利用されます。味わいはさっぱりとしていますが、口に含むと豆本来の甘さが感じられます。
いんげんは栄養価も高いお野菜です。
食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、便秘解消や腸の健康維持に役立ちます。さらに、ビタミン類が豊富に含まれているため、美容と健康にも良いとされています。ビタミンCは肌の健康維持に、ビタミンKは骨の健康維持に、そしてビタミンB群はエネルギー代謝や神経機能の維持に寄与します。
以上のような特徴から、いんげんはさまざまな料理に使われ、多くの家庭の食卓で頻繁に見られるお野菜となっています。旬の時期や料理法、保存方法などを知ることで、いんげんをより美味しく、そして効果的に摂取することができるのではないでしょうか。
いんげんの選び方
いんげんを選ぶ際に最も基本的なポイントとなるのがその色彩です。
新鮮ないんげんは鮮やかな緑色をしています。これはいんげんの生命力を示すものですので、ツヤツヤとしていて濃い緑色のものを選ぶようにしましょう。
色があせていたり、黄色がかったりしているいんげんは、収穫から時間が経過し鮮度が低下している可能性が高いため、注意が必要です。
次に注目すべきポイントはその形状です。
まっすぐで均一な形状をしているいんげんは新鮮な証です。
一方で、曲がりくねっていたり、表面に凹凸があったりするものは、育ち方が適切でなかったか、収穫後に何らかのダメージを受けた可能性があります。
また、いんげんはその硬さも重要です。
新鮮ないんげんは適度な硬さがあり、軽く押してもすぐにはくずれません。しかし、柔らかすぎるものや硬すぎるものは、それぞれ過熟していたり、未熟だったりする可能性があります。過熟なものや未熟なものは、風味や食感、栄養価に影響を及ぼしますので、硬さにも注意して選ぶようにしましょう。
最後に、いんげん豆の詰まり具合を確認しましょう。
いんげん豆がしっかり詰まっていることは、新鮮であることを示しています。
ただし、いんげん豆が詰まりすぎて突き出しているものは、収穫から時間が経過し、いんげんが古くなっている可能性があります。
これらのポイントを押さえつつ、新鮮ないんげんを選びましょう。
いんげんの旬の時期とは
日本の台所に欠かせないお野菜の一つである「いんげん」は、6月から9月にかけてが旬となります。
この時期に収穫されるいんげんは特に新鮮で、味わいも深く、栄養価も高いとされています。
一方で、いんげんは一年を通じて市場に出回るお野菜でもあります。
その為、冬場でも十分に美味しく食べることができるのです。
しかしながら、やはり旬の時期に収穫されたものが最も美味しさを堪能できると言えるでしょう。
一般的に旬のお野菜は、生育期間中に適した温度と日照時間を得られるため、風味や栄養価が最大限に引き出されます。いんげんも例外ではなく、旬の時期には一段と甘みが増し、さらにシャキッとした食感が楽しめます。
また、旬の時期にはそのお野菜が豊富に収穫できるため、価格もリーズナブルになる傾向があります。このため、いんげんが旬の6月から9月にかけては、積極的にいんげんを使った料理を楽しむことをおすすめします。
一年を通じて手に入るいんげんですが、その味わいは収穫の時期によって異なります。ぜひ旬の時期を把握し、美味しいいんげんを楽しみましょう。
いんげんの栄養
「いんげん」は、そのささやかな外見からは想像できないほど、豊富な栄養を秘めたお野菜です。
栄養①ビタミンB1
いんげんには、ビタミンB1が豊富に含まれています。
ビタミンB1は私たちの身体がエネルギーを生み出すために不可欠な栄養素であり、神経の健康を維持する役割も果たしてくれます。
栄養②食物繊維
さらに、いんげんには食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は便通の改善や血糖値の管理に役立つことで知られています。便秘解消や、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることで、健康の維持に寄与します。
栄養③カリウム
また、いんげんにはカリウムも多く含まれています。カリウムは体内の水分バランスを保つ役割があり、血圧を正常に保つ働きもあるため、心臓病の予防に役立つとされています。
栄養④たんぱく質
いんげんは、たんぱく質も豊富です。たんぱく質は私たちの体を作る基礎的な栄養素であり、筋肉や皮膚、髪の生成に必要です。
現代において、食事は活動に必要な栄養素を摂り、QOLを高めるためにとても大切な習慣です。さまざまな栄養素を豊富に含むいんげんは、バランスの良い食事にぴったりのお野菜といえるでしょう。
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いんげんの扱い方
ここではいんげんの基本的な扱い方を見ていきましょう。
- 保存方法
まずいんげんの保存方法としては、冷蔵庫の野菜室が最適です。
いんげんは生鮮食品であるため、鮮度が命と言えます。
密封せず、袋に少し空気を含ませて冷蔵庫の野菜室に保存すると、鮮度を一定期間保つことが可能です。
しかしながら、時間が経つにつれ栄養素は減少し、食味も落ちてしまう為、購入後は早めに使い切ることをおすすめします。
- 調理前の下準備について
次に調理前の準備についてみていきましょう。
いんげんの下準備はとても簡単です。
まず、根元のひげ部分とさやの両端を切り落とします。
さやの部分は食べられるため、これだけで準備は完了です。
尚、いんげんは長時間の加熱により風味や栄養が失われる傾向にありますので、調理の際は短時間でサッと火を通すのがおすすめです。
- 調理時の1ポイントテクニック
調理する際のテクニックとしては、いんげんはそのまま炒めると硬さが残るため、塩もみをするとよいでしょう。塩もみは、野菜の表面の微細な空気を抜き、組織を少し緩ませる効果があります。これにより、いんげんの持つ自然な甘みが引き立つだけでなく、食感も良くなるのです。
また、いんげんの栄養を最大限引き出すためにも、沸騰したお湯でサッと茹でるのがおすすめです。これはブランチングと呼ばれる方法で、色鮮やかな緑色を保つとともに、ビタミンなどの水溶性栄養素の流出を防ぐ効果があります。
いんげんの基本的な扱い方を理解し、実践することで、美味しく、健康的な食事を楽しむことが可能となります。これらのポイントを生活に活用して、いんげんの可能性を最大限に引き立ててみてください。
いんげんを使ったお手軽レシピ
ここではいんげんを使った、簡単で美味しいお手軽レシピを3品紹介します。
レシピ①旬のいんげんで作る、美味しい炒め物
まずは、定番のいんげんの炒め物の作り方を紹介します。
1.いんげんを一口大に切る
いんげんを洗い、水気をよく切ります。
次に、根元のひげ部分と先端を切り落とし、その後、一口大（約5cm程度）に切ります。このサイズなら炒めたときに中まで火が通りやすく、食べやすい形状になります。
2.ひとつまみの塩で軽くもみ、水洗いする
切ったいんげんに塩をふりかけ、手で軽くもみます。これにより、いんげんの持つ自然な甘さを引き出し、食感を改善します。その後、塩を洗い流すために水洗いします。
3.フライパンに油を熱し、いんげんを炒める
中火に熱したフライパンに油をひき、切ったいんげんを炒めます。いんげんは熱を通しすぎると色あせてしまいますので、表面がピンク色に変わるまで炒め、中まで火を通すことがポイントです。
4.塩と醤油で味付けをし、火が通ったら完成
最後に、塩と醤油で味付けします。塩はいんげんの風味を引き立て、醤油は風味を深めます。調味料はいんげんが少ししんなりしてきたら加え、全体がよく混ざったら火からおろします。
これが、シンプルだけど美味しいいんげんの炒め物のレシピです。いんげんは旬の時期にはそのままの味でも美味しい野菜ですので、シンプルな調理法でもその風味を十分に楽しむことができます。これらの手順に従って作ることで、いんげんの風味と食感を最大限に引き立てた一品が楽しめます。
続いて２品目を見ていきましょう。
レシピ②いんげんとひき肉の和風パスタ
次は、ちょっと変わった和風パスタのレシピを紹介します。
1.パスタをゆでる
まずは大きめの鍋に塩と水を加え熱湯になるまで加熱します。
沸騰したらお好みのパスタをゆでましょう。
この時、アルデンテ（芯が残る程度）に仕上げるのがポイントです。
2.いんげんを一口大に切り、ひき肉を炒める
次に、いんげんを切っていきます。
流水で洗い水気をきったら、食べやすいよう一口大に切っていきましょう。
この時、同時にひき肉も用意します。
フライパンを加熱したら、油をひいてひき肉を炒めます。
全体が白くなるまで炒めたら、先ほど切ったいんげんを加え、さらに炒めていきます。
3.ゆで上がったパスタと炒めて、醤油とみりんで味付をけたら完成
1.でゆで上がったパスタをフライパンに加え、全体が混ざるように炒めます。
全体が混ざったら、醤油とみりんを加え和風の味付けをしていきましょう。
醤油は風味と旨味を、みりんは甘みとまろやかさをパスタに与えます。
最後に全体をサッと混ぜ合わせたらいんげんとひき肉の和風パスタの完成です。
こちらのレシピでは、いんげんとひき肉、そしてパスタと三つの異なる食感を一つのお皿で楽しむことが出来ます。それぞれが持つ風味もバランス良く感じられる、おすすめの1品です。
最後に3品目をご紹介します。
レシピ③さっぱりいんげんのおひたし
最後は、夏にぴったりなおひたしをご紹介します。
1.いんげんをさっと茹でる
さやの両端を切り落とし、ひげ部分を取り除いたら、沸騰したお湯でいんげんをサッと茹でます。
鮮やかな色味に変化したらすぐに火から下ろし、冷水にとりましょう。
これによりいんげんの色を鮮やかに保つことができます。
2.水気をしっかりと切る
冷水に取ったいんげんをザルやキッチンペーパーでしっかりと水切りします。
これにより、最後にかける鰹節と醤油の味がいんげんによく染み込みます。
3.鰹節と醤油をかけて完成
最後に、鰹節をたっぷりとのせ、その上から醤油をかけたら完成です。
鰹節はいんげんにうまみと風味を加え、醤油はまろやかな塩味を加えます。
短時間で調理でき、手軽に作れる「いんげんのおひたし」は忙しい日の食卓におすすめです。さっぱりとした口当たりなので、夏の暑い日にピッタリな一品となっています。
最後に
いんげんは、シンプルながら多彩な食べ方が楽しめる、まさに万能野菜です。
旬の時期にはその豊かな風味を堪能し、調理方法によって様々な表情を見せます。
炒め物、和風パスタ、おひたしといったお手軽なレシピから始め、自分だけのオリジナルメニューを開発してみてはいかがでしょうか。
